昨日は災害と防災の話をしましたが、地震以外にも身近なところで「災害」が起こることがあります。例えば、HDDのデータクラッシュは、一定の確率で発生する避けられない「災害」です。
HDDにはモーターが使われており、これは消耗品なので、必ずいつか壊れる時が来ます。最近ではSMARTという機能がHDDに備わっており、故障が近いことを知らせてくれる便利な仕組みがあります。壊れる前に交換できるという点で非常に役立ちます。
しかし、困るのは、HDDが壊れてからパソコンやサーバーが起動しなくなり、データが読み取れなくなる状況です。SMARTに頼り切るのもリスクがあります。予兆なしで突然故障するケースも、少ないながら存在します。
私のところにも、よく次のような相談が持ち込まれます。
「パソコンが起動しなくなって、データをどうにか取り出したいんだけど…」
HDDがカラカラ音を立てていたり、明らかに壊れている場合、データ復旧の専門業者に頼るしかありません。この場合、どれだけデータを取り戻せるかもわからず、しかも料金は非常に高額です。
昔、パソコンの出張サポートをしていた時代、年配の社長さんが「孫の写真が全部消えてしまった」と悲しそうに相談してきたことを思い出します。データは、消えてしまうと本当にどうしようもありません。
だからこそ、バックアップが重要なのです。
長年連続稼働させていたサーバーを停電や引っ越しの際に止めたら、その後にHDDが起動しなくなるケースも何度か経験しました。驚きますが、軽い衝撃を与えると一時的に起動したこともありました。その後、速やかにデータをバックアップし、新しいサーバーに移行しました。
このような経験から、私はオンラインストレージを強く推奨しています。しかし、お客様からは「クラウドストレージにデータを置いておけば、バックアップを取らなくても大丈夫?」という質問をよく受けます。
これは難しい問題です。クラウドストレージサービス自体がデータ消失を防ぐ対策をしていますが、最終的には他社のサービスに依存しているわけです。その会社が万が一、サービスを停止するような事態が起きたらどうなるか、あるいは予期しないトラブルでデータに一時的にアクセスできなくなる可能性もゼロではありません。(今のところ、そういった事例は聞いたことがありませんが。)
万全を期すなら、クラウドストレージのデータをローカルのNASなどにミラーリングしてバックアップを取るのがベストです。
データ保護のいろいろ
- HDDのRAIDでミラーリング
- 別のメディアにバックアップ
- クラウドバックアップ
- クラウドデータをローカルにバックアップ
こうした方法は、システムやデータの重要度、そしてトラブルが起きた場合にデータを復旧するまでにかかる時間とのバランスを見て決定します。
もし、データに関する不安やご質問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。