先日、Cloudflareのユーザーグループ勉強会が大阪で開催されるという情報をキャッチし、名古屋から大阪まで足を運んで参加してきました。
ユーザーグループ勉強会の魅力は、技術者同士が会社の枠を超えて、率直な意見を交換し合えることです。お互いに忌憚のない意見を交わし、有益な情報を得ることができる貴重な場だと感じました。今回はCloudflareの内部の方も参加予定だったため、直接質問できる絶好の機会でもありました。
さて、Cloudflareは世界的に見てCDNサービスのトップシェアを誇っていますが、日本国内ではあまり広く使われていない印象を受けます。その理由の一つとして、Cloudflareに関する日本語での情報が少ないことが挙げられます。また、サポート面でも課題があり、何か問題があってもサポートへの問い合わせの返信がこないことが多いです。特に導入前の検証段階で問題が発生すると、そこで止まってしまい、導入を断念するケースもあるのではないかと感じました。
それでも、今回の勉強会でCloudflareについて多くのことを学びましたので、いくつかシェアさせていただきます。
最大の特徴
Cloudflareの最大の魅力は、基本機能が完全無料で提供され、しかもトラフィック量に制限がないことです。この点については、私自身も半信半疑だったのですが、どうやら本当のようです。
今回の勉強会では、モリサワの方も参加されており、モリサワフォントの配信にCloudflareの無料機能を使っているとおっしゃっていました。これには驚きました。
Cloudflareは「より良いインターネットを構築すること」を使命としており、基本的なセキュリティやパフォーマンス向上機能を全てのウェブサイトで無料で提供すべきだという理念を掲げています。そのため、以下の基本機能が無料で利用できます。
- DDoS攻撃の軽減
- 世界最速のDNSリゾルバー
- 世界ナンバーワンのコンテンツ配信ネットワーク(CDN)
- 世界中に330か所のデータセンターを持つ
- 日本国内にも10か所のデータセンターがある
- 無料のSSL証明書
- 無料のZero Trustおよびネットワークセキュリティ
有料になる部分
では、どの部分で有料になるのかというと、例えば以下のような場面です。
- サポートを利用したい時
- アクセスログを取り出したい時
- 基本機能で設定できない細かな設定をしたい時
- DNS管理を全部Cloudflareに移管せずに、一部だけ移管したいとき
有料プランに切り替える際は、一気に月額4000ドル以上(日本円で月額60万円)からという価格帯になるため、その点は事前に留意しておく必要があります。ただし、分析データだけで十分な場合は、無料版でも問題ないケースが多いでしょう。
CDNの効果
CDNは通常、大規模なアクセスに耐えるために使用されますが、通常のウェブサイトでもアクセス速度を向上させ、SEOにもプラスの影響があることが確認されました。実際に、通常のサイトをCloudflareでCDN化したところ、PageSpeed Insightsのスコアが向上しました。
これは、一般的なサーバーが古いプロトコルでの通信を試みるのに対し、Cloudflareは最新のプロトコルで通信を行うため、結果的に高速化が実現されるからだという説明がされていました。
APIの充実
また、CloudflareにはAWSに似たようなAPIが豊富に揃っており、これらを活用すれば面白いサービスを提供できそうです。今後、私自身もさらに勉強していきたいと思いますが、詳しくはCloudflareのエバンジェリスト亀田さんのブログをご参照ください。
今回の記事では、Cloudflareについての情報をシェアしましたが、弊社では国内外の主要なCDNを取り扱っており、それぞれの特徴を把握しています。お客様の課題や要件に合わせたご提案から構築・保守まで、トータルでサポートいたしますのでお気軽にご相談ください。