先日、NPO法人ウェブリテラシー協会主催の「高齢者のウェブ利用について」のセミナーに参加してきました。
このセミナーは、総務省の情報通信月間参加行事の一つで開催されていました。
http://www.jtgkn.com/2011_hp/itiran23/08_tokai.htm
他にも興味深い行事がいろいろあるようです。
さて、今回の高齢者のウェブ利用についてのセミナーでは、いくつか興味深いデータを教えていただくことができました。
- 65歳~69歳でインターネットを利用している人の割合が、ここ数年で急激に増えている
平成20年39%→ 平成21年58%
これはITを普段使用している人が段々年を取ってきたことに起因するようです。 - 日本国内の年齢別の人口が、60歳~65歳が一番多い
つまり、ここのマーケットをターゲットにしない手はないよねということです。
さて、ここからが高齢者の方がどのようにWebを見ているのかの驚きのポイントです。
- 高齢者はWebを見るためにWebをスクロールして見ない
→ドラッグ&ドロップの指使いがそもそも困難で、スクロールバーが使えない/使いたがらない。 - 細かい文字は読まず写真のみを見てしまう
→視力の低下がどうしても関係するようです。 - 自分で探せない情報は情報ではないという認識である
→この世代のプライドもあるようです(?) - 時限式ボタンは押せない
何秒かおきにバナーが切り替わったりするやつとか、タイミングよく押すことができずあきらめてしまうようです。 - 解説付き動画の評価が高い
→動画は実はキラーコンテンツで、音声も入っていると良いようです。
つまり、Webを作る側のポイントとしては、
- TOPページには、大きな写真でポイントを訴求する
複数個の写真で欲張らずに1個で! - 情報はとにかくシンプルに厳選して表現する
いろんな情報を載せたい→みにくいサイトの構図 - 文字はデフォルトである程度大きくする
- 何秒かごとで切り替わるバナーは使わない
- 音声ガイド付き映像コンテンツを多く配置する
- メニューはシンプルに、上メニューと横メニューの2軸までに収める
と、いうことになります。
最新技術を駆使して、Webの中でグリングリン動くサイトにしたい私たちは、これから高齢者も使えるサイトにすることをが必要だと考えさせられました。
最後に補足情報になりますが、
これらの情報は、クリックリンク・ストラテジー株式会社が提供している、アイトラッカーというシステムで、高齢者の方に被験者となって頂き、統計を取ってまとめた情報なので、かなり信憑性があります。
アイトラッカーについて知りたい方はこちら
http://eye.click-link.jp/
私も一度被験者を体験させて頂きましたが、視線を装置を装着せずに記録できるので凄いです!